屋上防水工事のパラペット形状別、仮設安全手摺の選定について

屋上防水工事における墜落・転落災害防止対策は労働安全衛生規則等により仮設安全手摺を取付ける義務が元請会社の責務とされています。
又、官公庁工事を始め、民間工事でも設計図書に仮設安全手摺の内訳が明記され、墜落・転落災害の防止対策とされています。
仮設安全手摺と言っても多種多様な仮設安全手摺のうち、その現場のパラペットに最適なものを選定し、
さらに防水作業の障害とならないものを採用したいものです。
以下に3種類の仮設安全手摺の概要と特長をご説明します。ご参考になれば幸いです。

1.ケミテック式スタンション《ケミスタ》

ケミスタは屋上防水工事専用に開発された仮設安全手摺です。

1.外壁面とパラペット見附が垂直であること。(斜壁は取付け不可)

2.パラペット見附高さが締機の幅(80mm)以上あること。

3.パラペット幅はケミスタ手摺枠で100mm~460mmまで、別途専用クランプ付き延長パイプ(400mm)を取付た場合最大720mm、それ以上の場合は単管パイプで延長できます。

4.パラペットをウレタン塗膜防水で施工する場合見附部の締機の当り箇所は、ケミスタを取外した後に作業を行って下さい。ケミスタを取付けたままウレタン防水作業をしたい場合は、ウレタン防水成形品を接着剤でアジャスタボルト部分の見附面に接着する方法もありますが、特注となります。

5.ロール物のパラペット天端への巻上げ
ケミスタは2スパン分の手摺枠3ヶ所を4mパイプ(2mを2本、ボンジョイントで連結可)でクランプ固定すると、1ヶ所の締機を取外しても、その部分が沈んだり外側に離れたりすることがありません。1ヶ所締機を取外すと最大3.6m、パラペット立上りから天端まで作業スペースが広がりますので、ロール物の作業が支障なく施工できます。貼り終えた後は締機を必ず取り付けて下さい。

6.アルミ笠木・水切り金物の対応
ケミスタはパラペット天端より100mm浮かせることができます。又、外壁側の壁当てによりパラペット天端先端から支柱まで30mmのクリアランスがあり、アルミ笠木を跨いでの取付け、さらにアルミ笠木の脱着も可能です。

2.NREスタンション

 《ケミスタ》が取付けできない斜壁及び大庇先端等はNREスタンション+2段手摺をお勧めします。

1.パラペット見附が高さ600mm以下でアゴが100mm以上あること。

2.旧公団タイプの大庇先端等に挟み込み取付けが可能。

3.ステンレス製アンカー打ち、単管パイプ固定2段手摺

1.斜壁で、パラペットのアゴが100mmないものでNREスタンションが取付けできないパラペットは、ステンレス製アンカー打ちの上、ボルトを溶接した特注1m単管パイプを取付け、2段手摺を取付ける。

屋上防水工事専用の仮設安全手摺
ケミテック式スタンション
ケミスタが登場!!

パラペットに「挟み込み」・「浮かせる」構造で、取り外すことなく防水作業がスムーズ゙に行える、屋上防水工事専用の仮設安全手摺です。
(社)仮設工業会「ガードポスト2種」・「墜落防護工2種」に準拠。